ダンスとの出会い編

 

幼稚園の年中さんの頃から体を動かすことが大好きだった。
音楽に合わせておしりをふりふりしていた。

小学校1年生の時、おにーちゃんが毎日のように少年団でスキーの練習をしているのを見て。
「Yuina ダンス 少年団」と言い始める。

その前の冬にスキースクールの個人レッスンを受けたときに、
「この子には教えられない」と半日で帰された経験上、娘をダンススクールに入れることには迷っていた。

毎日の様に踊りたいと懇願され、チャレンジのつもりでとあるスタジオに通う。
幼児クラスでYuinaを含めて5人のクラスだった。

娘は見よう見まねで振りを覚えようと一生懸命だったが、いつもとても楽しそうだった。
次のレッスンの日まで、毎日のように教えてもらった振りで踊っていた。

レッスンの日になると、自分から「ダンス、ダンス」と催促するようになり、1日も休まずに通っていた。

そこで2度の発表会を経験する。 

その後児童クラスに上がってはみたものの、30にんと言う人数とレベルアップしたレッスン内容が理解できなかった。1回のレッスンだけでは振りを覚えることができず、足手まといになり始めていた。
これ以上は無理だろうと感じ、娘に了解を取らずに辞めてしまう。

スキースクールに続き、ダンススタジオでも良い思いをしなかった母は、もう2度と習い事はさせないつもりであった。

しかし、ダンススタジオを辞めたことが理解できなかった娘は、毎週のように
「ダンス、ダンス」と言い続けた。

何度も辞めたことを説明するのだが、どうしても納得してくれなかった。
そのうち、「まま、きらい!Yuina、ダンス」と言っては泣くようになった。

学校生活では見られないほどの執着を見せた。
何ヶ月たっても、最後のレッスンの時のダンスの練習をしていた。

Yuinaの熱意に負け、またしてもスタジオ捜しが始まった。
今回は、『個人レッスン』希望としてあらゆるスタジオに電話をかけ、見学に訪れた。
どこも、「個人レッスンはしてません。ダンスなんだからみんなと踊らなくては・・・・」と言われる。

何件目に電話しただろう、もう残りも少なくなってきた頃、今のスタジオの先生と巡り合う。
そこのスタジオにジュニアクラスはなかった。個人レッスンどころか、ジュニアの娘は問題外だった。

しかし、そこの先生は
「お母さん、良かったら事情を話していただけませんか?」と訪ねてくれた。

私は、胸に詰まっていた物を吐き出すように、今までの経緯、ダンスに執着する娘との毎日のやりとりを話した。

先生は、話を聞き終えると、
「うちのスタジオではジュニアのクラスはないんです。個人レッスンもしてないんです。
でも、もし、良ければ1度スタジオに遊びに来ませんか?」

迷った。
娘に伝えると「踊れないなら行かない。見てるだけなら嫌」
「ダンス、ダンス」の娘に「見に行ってみよう」の母、それが何ヶ月続いただろう。
ある日、口で言っても無駄だと悟り、「ダンス、行くよ〜♪」とだまして、見学に連れて行った。

母は見学だけのつもりだったのだが、踊る気満々の娘はスタジオに入るなりレッスン着にきがえてしまった。
それを見た先生が
「Yuinaちゃんも、一緒に踊ろう♪」と声を掛けて下さった。
娘は大喜びでフロアのど真ん中を陣取った。
大人ばかりの中で、まるで水を得た魚の様に生き生きとして見えた。
レッスン終了後も「Yuinaのダンスはねぇ〜」と言いながら、前のスタジオでの最後の振りを踊って見せた。

それを見ていた先生は「他のクラスも見にいらっしゃい」と娘に声を掛けてくれた。

お言葉に甘えて、その後『ジャズ』と『ヒップポップ』のクラスを見学させて頂いた。
このころには娘もスタジオに行くのを楽しみにするようになっていた。
いつも、かってにフロアに入り、踊り始める娘に母はハラハラさせられたが楽しそうな娘の姿が嬉しかった。

その後、先生がYuinaの全てを踏まえた上で
「Yuinaちゃんをうちで面倒見ましょう」と言っていただいた時には涙が出るほど嬉しかった。

先生方、おねーさん達の教え方がとてもわかりやすく、
どーしても分からない時は、レッスン終了後に先生やおねーさん達に聞くと、ひとつひとつ教えてくれた
娘はどんどん上達していった。

前にも増して踊ることが楽しくなった。
学校でどんなに気持ち悪くなっても、スタジオを休むことは嫌がった。
次々に新しいクラスが増えていき、今では毎日スタジオに通うようになった。
それでも、1日も休まずにレッスンに通っている。

高機能広汎性発達障害の例として「特定行動の執着」「興味活動の限定」という項目がある。
娘にとって、それはダンスだったのだと思う。
スタジオに通う娘を見て、学校とは全く違う生き生きとした表情を見て、
「この子からダンスを取っちゃいけない!!」とつくづく感じる。

YuinaをYuinaとして受け入れてくださった、今のスタジオの先生やおねーさん達に感謝の気持ちでいっはいです。

 

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